ELGRAND(エルグランド)後継か、NISSSAN(日産)が全固体電池EVの高級ミニバンを提案

JAPAN MOBILITY SHOW 2023連載をフォロー第12回

伏木 幹太郎

日経クロステック/日経Automotive

2023.10.26

全780文字

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 日産自動車は2023年10月25日、ミニバン型の試作車「ニッサン ハイパーツアラー」を「ジャパンモビリティショー(JMS)2023」(一般公開:2023年10月28日~11月5日、東京ビッグサイト)にて公開した。同試作車は、全固体電池の搭載を想定した電気自動車(EV)としている。

ニッサン ハイパーツアラー

ニッサン ハイパーツアラー

全固体電池の搭載を想定した高級ミニバンである。(写真:日経Automotive)

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 「全固体電池の搭載を想定することで、車室内の床がフラットで広々としている」と日産の担当者は話す。電動駆動の4輪制御技術「e-4ORCE」も採用しており、走行安定性の向上に寄与する。V2X(Vehicle-to-Everything)機能も搭載しており、駆動用電池に蓄えた電力を自宅や店舗、オフィスなどに給電できたり、旅先やビジネスシーンにおいても活用できたりする利点がある。

 完全自動運転技術の搭載も想定している。運転席と助手席は360度回転でき、完全自動運転モードで走行中は、運転席と助手席を後部座席と向かい合わせにできるという。後席の乗員はウエアラブルディスプレーを装着することで、前席のセンターディスプレーに表示されるカーナビやオーディオなどの情報を見たり、操作したりできる機能を備えた。

エルグランド

エルグランド

現行型が登場したのは2010年と古い。(写真:日産自動車)

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 同社は現在、高級ミニバン「エルグランド」を販売している。現行型のエルグランドが登場したのは2010年と約13年が経った。その間に競合車種であるトヨタ自動車「アルファード/ヴェルファイア」は2度全面改良を受けており、商品力を向上させている。新型アルファード/ヴェルファイアはハイブリッド車(HEV)を設定するが、エルグランドはガソリン車のみである。

 同社の関係者は「具体的な商品化は検討していない。今回(JMSで)反応を見て今後の商品化を決めたい」と話した。近年、高級ミニバンの市場は国内外で拡大しており、今後エルグランドの後継車種として今回の試作車の市販版が登場する可能性はある。