石塚 正浩
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高木 順 ·
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元 京葉伸学会の代表取締役 (1998–2014)更新日時:3年前
関連技術はあるのに世界で勝てない日本企業の理由は何でしょうか?
経営が良くないからです。
AppleやMicrosoft、Facebook、その他のIT企業も、企業の成功の為には技術は大した問題ではありませんでした。既にある技術を探して、消費者に受けるサービス・製品を素早く作り、広めたのが成功の要因です。
日本の企業の経営者の多くは生え抜きで、若くて優秀な経営者が少なく、社内の意思決定システムも非効率です。時間がかかるばかりで結局は、無難な(どこかで成功しているとかマーケティングで高評価を得ているとかという)決定を行うだけです。これでは一番乗りは望めず、大きなリターンは望めません。
政治も官僚も政策として新しい産業を伸ばすことよりも、今の産業構造の温存に主眼を置いているように感じます。労働流動性を高くして、自分の実力を発揮できる会社に移りやすくすべきだと思います。「功労者」に高給を払い続けるのではなく、「成果」や「可能性」「能力」への分配を増やさなければ、優秀な人材の獲得は出来ないでしょう。
日本の企業は古株の社員に多くの人件費を支払っているため、優秀な社員・技術者の獲得や研究開発費、技術のM&Aに資金を使えません。結局は労務問題なのです。正社員を大事にするがために成長を犠牲にしているとも言えます。日産の旧経営陣がベストな経営判断ができれば、ルノーに買収されたりゴーンさんの暴走をゆるすこともなかったでしょう。政治がそうさせなかったのです。
金融機関も年功序列で、「結果」を出すことよりも「失敗」を恐れる傾向にあることも一因です。投資のリスクを取るのは金融機関ですが、リスクを恐れるあまり有望なアイデアであっても、アメリカや中国などの資本に買収され、日本資本のビジネスとして成就しません。
米中に大富豪が多く存在し、エンジェル投資家となっていることも大きな要因です。日本にはそのような富豪が少ないので、「1年間に1000万の投資を10件ずつ行う」ショットガン方式などの投資を行いにくい環境があります。日本の金融機関に「100件に2、3件成功すれば御の字」という投資は不可能です。
極論としては言えば、
『日本は下手に「起業」や「日本発の世界覇権」を狙わない方が良い』
と思います。
「高度経済成長からの世界一」は偶然の産物と考え、「日本は優秀なので再び世界一になれる」という幻想は捨てるべきです。
日本は今、幾多の努力のおかげでドル準備高も世界最高水準ですし、米国との関係も良好です。中国は米国が退治してくれますので、『米+αの存在』として、
①有望な米国企業へ投資してキャピタルゲインを受け取る。
②技術者を米に派遣しても、日本が利益を享受できるシステムにする。
➂米国籍企業が日本で利益を得た場合、日本で納税。
④日本の技術が中国などに盗まれないように米国に監視してもらう。(日本がいくら言っても無駄なので..)
⑤日本発の技術を米国籍の企業が使用する場合はそれ相応の特許使用料を払ってもらう。(そのためには日本の法改正、米国との連携強化等の政治的な動きが必要)
以上のことを行い、日本に利益が還流されれば、日本初の技術も無駄にならないでしょう。
日本人の悪い癖は「日本の技術・日本人の経営・日本籍の企業」とすべて日本で完結しないと気が済まない所です。
米国の広大なシェアや資本、人材、軍事力など、日本が持ち得ていないものをフル活用するという知恵を使うべきです。
日本人が米国人や中国人よりも温厚でリスクを好まない性格なのは、DNAから見ても明らかです。そういう国民性を無視してベンチャーで成功している米国や中国を盲目的に追随することは得策ではありません。